歯科矯正用アンカースクリュー
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歯科矯正用アンカースクリュー
マルチブラケット装置で治療されている患者さんの中でヘッドギアを使わずに歯科矯正用アンカースクリューを用いて治療される方が増えてきました。そこで歯科矯正用アンカースクリューとはどういったものなのか、また当院での治療の流れなどをお話させていただきます。
直径1.4~2mm前後、長さ6~10mmぐらいのチタン合金の細いネジです。このネジを顎の骨に植立し、それを固定源として歯を移動させる治療法です。マルチブラケット装置に歯科矯正用アンカースクリューを併用することで従来の治療法よりも患者さんの負担が少なくなるだけではなく、より良い治療結果も得やすくなりました。
当院での歯科矯正用アンカースクリューの処置の流れは
1. レントゲン(CT)撮影をし、スクリューの埋入部位や方向を確認します。
2. 少量の麻酔をし、スクリューを植立します。
3. 医師から注意点などの説明があります。
4. 化膿止めと痛み止めが処方されますので指示に従い服用してください。
処置としては1本あたり5〜10分程で終わり、痛みや出血はほとんどありません。
「骨にネジを埋め込むのが怖い」との声をよく耳にしますが、麻酔も少なく、出血もほとんどないので歯を抜くよりもラクな治療だと思います。植立した後は1か月ほど様子を見て、異常がないようであれば力を加え治療に用いていきます。
人によってはスクリューがグラグラと動揺したり、抜け落ちてしまうといったこともあります。そのような場合は締め直したり、場所を変えて植立し直します。何度か打ち直しても安定しない場合には口蓋(上あごの裏)に植立する方法もありますが、その都度患者さんとご相談しながら治療を進めていきます。
歯みがきはスクリューの周りに汚れが溜まりますので、やさしく磨いて汚れを落とし清潔に保っていて下さい。汚れにより感染が起きたり、腫れや痛みがでる場合があります。
治療が終わればスクリューを抜き取りますが、保定装置になり半年ほど経過し、後戻りの心配がなさそうと判断してから抜き取ります。抜くときもほとんど痛みはありません。抜いた場所の歯肉は数日で目立たなくなり、骨も数ヶ月で修復されます。
アンカースクリューとヘッドギアにはそれぞれメリット・デメリットがあります。また患者さんのライフスタイルによってもどちらを用いて治療を行なうか異なりますので、よくお考えになってお決めいただけたらと思います。
歯科衛生士 冨田