管楽器演奏(吹奏楽)と矯正歯科治療について知っておきたいこと

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管楽器演奏(吹奏楽)と矯正歯科治療について知っておきたいこと

管楽器演奏(吹奏楽)と矯正歯科治療について知っておきたいこと

矯正治療を考えている方の中には、フルート、クラリネット、サックス、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバなどの管楽器を演奏される方、吹奏楽部在籍の方もいらっしゃるかと思います。矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えることで、口腔機能の向上に役立ちますが、装置の装着や治療による歯列の変化が演奏に影響を与えることもあります。ここでは、矯正治療が管楽器演奏にどのような影響を与えるのか、また、治療を進めるためのポイントについてご説明します。

矯正装置が演奏に与える影響

矯正装置が管楽器演奏に与える影響は、楽器の種類によって異なります。

① リード楽器(クラリネット、サックスなど)の場合

  • 影響の度合いが比較的少ない
    リード楽器は、マウスピースを歯で軽く支える形で演奏するため、矯正装置の影響は比較的少ないとされています。
  • 最初は口の中の違和感を感じることも
    装置に慣れるまで、演奏時のアンブシュア(口の形)が変わることがありますが、時間とともに適応できる場合が多いです。
  • ただし、ダブルリード楽器(オーボエ、ファゴットなど)の場合
    ダブルリード楽器は唇を巻き込んで演奏するため、矯正装置による影響がより大きくなることが予想されます。特に、ブラケットが口の内側の柔らかい組織に当たることで、違和感や圧迫感を強く感じる可能性があります。

② 金管楽器(トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなど)の場合

  • マウスピースの圧力が問題になることが多い
    金管楽器はマウスピースを唇に押し当てるため、矯正装置が直接影響を与えやすいです。特に、高音域の演奏時には、装置による違和感が大きいかもしれません。
  • マウスピースのリム幅による影響の違い
    特にホルンやトランペット(特にホルン)は、マウスピースのリム幅が狭いため、ブラケットによる痛みがより強く出る傾向があります。リム幅が狭いほど、唇への圧力が集中しやすく、装置が直接当たることで痛みや違和感が強くなる可能性が高くなります。

③ エアリード楽器(フルート)の場合

  • 影響は少ないが、アンブシュアの変化に注意
    フルートは他の管楽器と異なり、直接歯にマウスピースを押し当てることはありません。そのため、矯正装置による影響は比較的少ないとされています。
  • ただし、口の形や息の流れの調整が必要になることも
    フルートの演奏では、唇の形と息の流れが重要になります。矯正装置があることで、息のコントロールやアンブシュアの微調整が必要になる場合があります。
  • 抜歯矯正による影響の可能性
    また、抜歯を伴う矯正治療の場合、歯列が一時的に途切れることにより、息の圧力を高めるのが難しくなったと感じるという声もあります。特にフルートのように息の流れが直接音に影響する楽器では、治療の進行段階によっては息のコントロールに影響が出る可能性があるため、慎重な対応が求められます。

矯正治療を受ける際のポイント

矯正治療を受けながら管楽器を演奏する場合、次のような点に注意すると、よりスムーズに治療を進めることができます。

✅ 矯正装置の種類を考慮する

マウスピース型矯正装置による治療は、取り外しが可能なため、演奏時には装置を外すことができ、影響を最小限に抑えることができます。
固定式装置(ブラケット)を使用する場合は、演奏の影響を最小限にするため、歯の裏側に装着する舌側矯正(リンガル矯正)を検討するのも選択肢のひとつです。
しかし、症例によっては従来の表側に装着する装置に比べ治療の仕上がりや期間に違いがでる可能性があるので、十分説明を聞いて決めていただくのがよいと思います。

✅ 痛みの軽減方法を活用する

ブラケットが唇や頬の内側に当たって痛みがある場合、矯正用ワックスを装着することで、マウスピースの圧力から口の中を保護できます。
また、ワックスだけでなく、シリコン製のアダプターのような補助具を使用することでも痛みを軽減できることもあります。これにより、マウスピースがブラケットに直接触れることを防ぎ、演奏しやすくなるひともいます。

✅ 慣れるための時間を確保する

矯正装置を装着した直後は違和感を感じることがありますが、練習を重ねることで適応できるケースがほとんどです。矯正開始後しばらくは、通常よりも余裕をもって演奏スケジュールを組むとよいでしょう。

✅ 矯正医と相談しながら進める

演奏活動を続けながら矯正治療を受ける場合は、事前に矯正医へ楽器の種類や演奏頻度を伝え、最適な治療計画を立てることが大切です。

矯正治療と演奏の両立は可能?

矯正治療と管楽器演奏の両立は、楽器の種類や個人の演奏環境によって異なります。特にホルンやトランペット(特にホルン)はマウスピースのリム幅が狭いため、ブラケットによる痛みが強く出やすいと思われます。一方、フルートは歯に直接圧力がかからないため、影響が比較的少ないと考えられますが、抜歯矯正による息の圧力の変化には注意が必要です。

そのため、ご自身の演奏レベルや環境をよく伝えることが大切です。矯正治療をしながら楽器を続けた人もいれば、演奏活動を優先して矯正を延期されたかたもいます。今何を優先するべきかをよく考えて矯正治療について検討いただくのがよいと思います。
当院の院長、高橋滋樹は今でも演奏会でフレンチホルンを吹く奏者で、吹奏楽部に所属する学生さんや社会人の方も患者さんでいらっしゃいます。
神奈川県秦野市の高橋矯正歯科医院では管楽器演奏の患者さんの矯正治療相談も可能ですのでお気軽にご相談ください。

神奈川県秦野の矯正専門開業医院

院長

高橋 滋樹
院長紹介ページはこちら
略歴
東京医科歯科大学顎顔面矯正講座大学院 修了
公益社団法人日本矯正歯科学会 理事
資格
日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医

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