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矯正治療で達成するべき3つの目標その2 

噛み合わせ

噛み合わせは治療しなければいけないのか。

これはよく聞かれる質問のひとつです。ある種の噛み合わせは明らかに食物を噛み切り、砕く働きが劣ることになります。例えば開咬という前歯が咬み合わない症状の患者さんは、治療を終えたあと「お蕎麦が前歯で噛み切れるようになった」とおっしゃいます。

また噛み合わせが悪いと全身状態に悪い影響が出るということを心配している患者さんもおられます。診療にあたっていると、治療の改善とともにそういう不定愁訴(頭重いらいら疲労感不眠など漠然とした不快感を伴う自覚症状を訴えるが,それとからだの異常との関連がはっきりしないもの。)が改善する患者さんがいらっしゃるのも事実です。

しかし、私はこういう症状だけが気になるという患者さんには矯正治療を強くすすめることはしません。なぜかというと、噛み合わせと不定愁訴の関連は明らかにはまだなっていないのです。実際には噛み合わせの治療で、腰が伸びず歩けなかったおばあさんが歩けるようになったという症例も体験していますが、それでも医学的な証拠がない以上患者さんには無責任に保険外の高価な治療はすすめられないなというのが、今の私の考えです。

噛み合わせを治療する明らかなメリットも存在します。まず上下の歯があたる部分が明らかに増えることで、食べ物はより効率的に粉砕され、食物を摂取する上での第一の行為である「咀嚼」の効率はグンと高まります。我々は専門用語でいう、Class I とか I級というかみ合わせを目指します。このかみ合わせは上下の歯が櫛の歯のように互い違いにぶつかりあり、上下の歯がくっつくたびにお互いの歯を均一に押し付け合います。

矯正治療には、後戻りといって綺麗に並べた歯が治療の後、元の場所に戻っていってしまう現象がおきてしまうことがありますが、しっかりと噛み合った状態ではこういう後戻りは起きにくく、いわば噛む力が歯の位置を安定させることとなります。ですから噛み合わせを良くすることは、治療の目標でもあり、かつ治療の経過を良くする役割も果たしているといえます。

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